きらきらのたまご

私の私による私のための休憩室

シンデレラは王子様と出会わなくても幸せになれたのか

昨日、とうとう片付けられない女を卒業した。


昔から掃除や洗濯が得意じゃなかったし、忙しいから仕方ないと自分に言い訳をしながら散らかった部屋で生活することに慣れてしまってもいた。そもそも片付け方なんて知らないし、散らかり放題散らかってしまった後は尚更、どこから片付ければいいのか検討もつかない。片付けられない人間の代表である。
そんなダメ人間がどうして部屋を綺麗にしようと思ったかというと、本当に些細なことなのだが、ちょっと前に炊飯器に虫が湧いたからである。まさか炊いたご飯を放置してしまっているとは思っていなかったし、保温しておいた温かいご飯に虫が湧くなんて驚きだった。何よりも、虫が大の苦手である私は、他にも虫がいたらどうしようとものすごく不安になってしまったのだ。そして、そんな環境で生活している自分にも嫌気が差してきた。急に綺麗な部屋で優雅に紅茶を飲みたくもなった。Amazonで衝動買いしたものの届いた日からずっとダンボールの中にいた羊の抱き枕を抱いて寝たくもなった。
ただ、どうやって片付けようか。困った私は、Googleで検索してみた。


“片付け 業者”

本当に私はクソである。自力でどうにかするのではなく、他人にどうにかしてもらおうと思ったのだ。
思い立ったら即行動な私は、すぐに業者に連絡を入れた。お金はかかるが仕方あるまい。私の心的負担になるのは、お金よりも労力なのである。

というわけで、昨日ついに業者さんが来て部屋が見違えるほど綺麗になった。先程「片付けられない女を卒業した」と言ったが、これは誤りである。自分一人で片付けられないのだから、未だ私は片付けられない女だ。
ただ、必要なものだけを選別して入れたダンボールが4つ程部屋の隅に残っている。これは自分でどうにか整理しなくてはならない。私の闘いはこれからなのである。このダンボールたちを倒したとき、私は片付けられる女になった!と空に向けて拳を高らかに突き上げたいと思う。


何はともあれ、私は今綺麗になった我が家でこのブログを書いている。左手には缶コーヒー。紅茶を淹れることはできなかった。面倒くさいし疲れたし。本当に私はクソである。

吾輩は猫である。いや、クソである。名前はあるけれど名乗るほどのものではない。
使い古されているネタだけど、とりあえず言ってみたかった。満足。




唐突だが、私は今日失恋した。失恋ショコラティエの失恋部分だけ経験できた。ショコラティエは経験できないだろうが。

なぜ今日失恋しなきゃいけなかったかというと、今日はバイトの後同僚の女の子と2人で飲んだのだが、その時に酒の勢いで片想いの彼に「暇な日ない?」と連絡してしまったからだ。どうやら私は最近いろいろこじらせているらしい。

私「暇な日ない?」
彼「どうした?」
私「ちょっと相談があって」


─中略─


彼「本当に無理です。ごめんなさい」


無理らしいです。なぜ敬語なんだ、というのはさておき、ここだけの話心が折れました。ポキンと音が鳴った気がしました。大動脈でも折れたんじゃないかな。血の気が引いたのもそのせいかも。一緒に飲んでいた同僚の女の子がありきたりな言葉で慰めてくれました。そんなこと言うような男はクズだからやめてしまえって言ってくれました。その声が遠くからかすかに聞こえました。あぁ、消えたい。幸せって何だっけ。

確かに、もっと当たり障りのない言葉で断ってくれれば良かったのに、「本当に無理」なんていうかなり投げやりで相手が傷つくことが容易に想像できる言葉を選んできたあたり、彼はいい男ではないだろう。だが、そんな言葉を言わせてしまった私にも非がある。会う度に好き好きオーラを出してしまっていたと思うし、特別な存在になることを求め過ぎたとも思う。私でも同じ立場なら、なかなか諦めてくれないことに痺れを切らして「本当に無理」という言葉の核爆弾を持ち出してしまうかもしれない。いや、想像してみて思ったのだが、この台詞は自分に自信がないと言えないような気がする。私ならやんわりと、返信しないとかブロックするとかするだろう。それもなんか陰険で嫌な感じがする。じゃあはっきり言った彼のほうが男らしくていいじゃん、とか思ってしまった自分を殴り殺したい。


これにて私の片想いは無事に(?)完結したわけである。まぁ、運よく彼と付き合えても上手くいく気は全くしなかったから、きっぱり振ってもらってよかったのかもしれない。軽い気持ちで女の子に手を出したりしないあたり、意外と紳士なのかも!って思ってしまった自分を殴り殺したい。

好きになって欲しかったし私も好きだったけれど、私の「好き」も、自分に全く好意的でない人間を振り向かせたいとかキスしてみたいとかそういう類のしょうもない他人承認欲求であり、戯れに過ぎなかったのかもしれない…とか今さら考えるのは無意味だからやめよう。そんなの慰めにはならない。「好き」というのはそもそもいろんな要素が集まった複雑な感情だから、それがどういうものか説明しようとすると途端に陳腐なものになってしまうし、解明しようとするとその感情自体を否定することになってしまう。どんな「好き」だっていいじゃないか。その感情を抱いたならその人にとってはそれが真実だし、人の気持ちなんて個人差があって当たり前なんだから。私なんかが恋愛を語るなんてちゃんちゃらおかしいんだけど。彼氏ができてラブラブひゃっはー♡状態でこんなこと言っても説得力なさそうだから、振られて間もない100%フレッシュな今しかない!いつ語るの?今でしょ!っていう感じでね。



お城は綺麗だ。そこに住んでいる姫はこんなだけど。王子様もいないけど。それでもこれから素敵な物語がはじまることを期待している。強がりじゃないよ。